子ども・若者・居場所

2017年8月 7日 (月)

公開講座「SDGs・居場所論」が紹介されました

この春に上智大学公開講座で行った「SDGs(持続可能な開発目標)-貧困・社会的排除と居場所論」が「まなナビ」サイトで紹介されました。タイトルは私がつけたものではありません(笑)

「職場で評価されず家では邪魔者、“居場所”ある?」
「ピコ太郎の国連登場で話題の“SDGs”って一体なんなのか」

下記URLよりご覧頂けます。http://mananavi.com/

かなり盛りだくさんで強引なテーマだったのですが、コンパクトにまとめてもらいました。

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2017年3月13日 (月)

SDGs(持続可能な開発目標)-貧困・社会的排除と居場所論

今年のコミュニティカレッジでは、SDGsと居場所論を取り上げます。

2017年度上智大学公開講座
SDGs(持続可能な開発目標)-貧困・社会的排除と居場所論

 2016年からのSDGs(国連・持続可能な開発目標)の標語は「誰ひとり取り残さない」です。これは世界中の貧困や社会的に排除されているひとびとに居場所がある世界づくりを、ということです。居場所論は不登校問題から始まりました。その後、グローバリゼーションが急速に進むなかで、家族・地域・会社・国といった安心と安全を保障してきた集団によるセイフティネットが縮小し、人々を孤立化させてきました。居場所論は子ども・若者から女性・障がい者・高齢者などすべての人々の課題となり、また、日本だけではなく世界的なテーマとなりつつあります。この講座では、世界的な視野で「居場所論」を考えるとともに、「居場所づくり」のための国の内外のさまざまな試みを紹介します。
 
講師:田中治彦(上智大学教育学科教授)
日時:2017年5月11日~7月13日(毎週木曜日10回)19:00-20:30
場所:上智大学四ツ谷キャンパス(JR四谷駅徒歩5分)
テキスト:田中治彦編『SDGsと開発教育』学文社
受講料:27000円
申込みとお問合せ:上智大学公開学習センター
 http://www.sophia.ac.jp/jpn/otherprograms/c_college
 03-3238-3552
 

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2017年1月 9日 (月)

成人の日を3月に移しましょう

 2001年以来、18歳成人について発言してきたこともあって、この時期になるとマスコミからの取材が必ず入ります。今年は、毎日新聞で11日付けの朝刊に掲載の予定です。

 さて、今年は18歳成人論議にとっては重要な年です。というのは、政府は次の通常国会で成人年齢を18歳に引き下げるための民法改正案を上程する予定だからです。反対する政党はないので、解散総選挙などなければ改正案は成立することでしょう。そうなると、3年の周知期間をおいて2021年には「18歳成人」に移行することになります。

 私が心配しているのは、成人の日と成人式です。ふたつ問題があります。ひとつは、成人の日をどうするかです。18歳は高校3年生ですので、現行の成人の日(1月第2月曜日)ですと、大学入試センター試験の直前となります。まさに最悪のタイミング! その日に成人式を行っても参加率は低いでしょう。成人式の日取りを移すことは考えられますが、根本的には成人の日を他に移すしかありません。
 成人式の起源は遠く江戸時代の元服や髪上げに求められます。これは、子供の成長を大人や社会が祝う行事です。本人と大人社会との双方の合意で成り立ちます。2001年頃「荒れる成人式」が問題になりました。私はその根本的な原因は20歳という年が何ら人生の区切りではなく(正確に言えば短大生を除いて)、本人と社会との合意という意義が失われているからである、と解説しました。
 
 その意味では18歳は多くの高校生が就職や進学する年であり、人生の区切りとしても理にかなっています。ということは成人の日は、その区切りに当たる3月に移すのが適切ではないでしょうか。就職活動や入学試験もほとんど終わって、4月からの身の振り方が決まっています。家族もお祝いするモチベーションが上がります。卒業式とかぶるかもしれませんが、3月のどこかに成人の日を設定してほしいです。
 
 もうひとつの問題は、もし2021年に成人年齢が18歳になると、その年には18歳・19歳・20歳が同時に成人になります。すなわち、成人式を3回しなくてはなりません。これは、各自治体にとって頭の痛い問題です。予算的にもそうですし、日程も会場も大変です。そもそも、3倍もの成人を同時に収容できる施設があるかどうか?
 
 そこで、私は成人式を2回ないし3回に分けることを提案します。現在の成人の日に19歳と20歳の成人式を行います。1回でできなければ、午前と午後の2部に分けます。準備は大変ですが、1年限りのことですのでがんばりましょう。次に、18歳の成人式を3月のしかるべき日に行います。理由は前に述べたとおりです。
 他にも良い方法があるかもしれませんが、参考にしていただければ幸いです。遠い未来のことではありません。現在の中学1-3年生が同時に成人になるのですから。
 
 
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2016年11月 3日 (木)

フォーラム・居場所論の「現在」

 

上智大学教育イノベーション・フォーラム

       居場所論の「現在」

 「居場所」という日常的な用語が政策文書に登場したのは、1992年に文部省から出された不登校対策の報告書でした。その後、居場所を関する書物は増加し、心理学、教育学、社会学などの学術書にも登場するようになります。居場所論が広がる背景には、経済や情報のグローバリゼーションが急速に深まりをみせるなかで、家族・地域・会社・国といった従来、人々に安心と安全を保障してきた集団や組織によるセイフティネットが縮小し、人々を孤立化させていることが原因であると思われます。
 居場所づくりは実践や政策においても、子どもの貧困、災害復興、高齢者の地域参加などにおいて、鍵となる概念になりつつあります。また、欧米での移民問題やアジア諸国でのテロ問題でも、若者の居場所が注目されています。この度さまざまな分野で居場所論を研究し、居場所づくりの実践に携わっている皆さまにお集まりいただき、交流する場として本フォーラムを企画いたしました。皆さまのご参加を期待しています。

日時 2016年12月3日(土)13:30~18:00
場所 上智大学四谷キャンパス 上智紀尾井坂ビル-B210 (JR四ツ谷駅徒歩10分)
   http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/map/map_yotsuya
主催 上智大学総合人間科学部教育学科(教育イノベーション・プログラム)
参加費 500円(資料・お茶代) *学生・院生は無料

プログラム
 13:00 開場
 13:30-13:50 趣旨説明 田中治彦(上智大学総合人間科学部)
 
 第Ⅰ部 日本の子ども・若者と「居場所」
    コーディネータ 阿比留久美(早稲田大学)
 13:50-14:20 報告1 千代田区に貧困家庭の子どものための居場所を作りました
                -NPO法人MLTこどもプロジェクトの現状と課題
                久田満(上智大学総合人間科学部)
 14:20-14:50 報告2 支援としての「居場所」を考える
                ―〈承認する/教育する〉のジレンマ
                御旅屋達(東京大学社会科学研究所)
 14:50-15:20 報告3 「いつでも・誰でも・無料で」来られる居場所づくり
                -冒険遊び場の実践からの学び
                森川和加子(せたがや子ども・ワカモノねっと)
 15:20-15:40 質疑と議論
 
 第Ⅱ部 グローバリゼーションと「居場所づくり」
    コーディネータ 萩原建次郎(駒沢大学)
 16:00-16:10 課題の整理
 16:10-16:40 報告4 ダッカでのテロ事件と若者の居場所づくり
                筒井哲朗(一般社団法人シェア・ザ・プラネット)
 16:40-17:10 報告5 トランスナショナル状況下の欧州ムスリム移民の居場所づくり
                丸山英樹(上智大学グローバル教育センター)
 17:10-17:40 報告6 居場所とゆとり――社会変動論的視座から
                塩原良和(慶応義塾大学法学部)
 17:40-18:00 質疑と議論

 (終了後、同会場で懇親会をもちます) 

お申込みとお問合せ
 田中治彦研究室  ibasho.sophia@gmail.com
 

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2016年6月23日 (木)

『やさしい主権者教育-18歳選挙権へのパスポート』発刊

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NIE(教育に新聞を)で活動している先生方とともに編集しました。
意外と知られていない選挙用語から生徒ができる選挙運動、できない選挙運動、不在者投票と期日前投票など、最低限知らなければならない内容を押さえてあります。また、参加型学習で行うワークショップを紹介しています。

『やさしい主権者教育-18歳選挙権へのパスポート』
田中治彦・岸尾祐二(他編)
東洋館出版社、2016年6月、1,944円(税込)
ISBN:9784491032498

もくじ

1章 主権者教育の実践にあたって
 主権者教育・市民教育と求められる学び
 18歳選挙をめぐる社会

2章 主権者教育を始めるために
 主権者教育と学習指導要領への位置づけ
 小学校から始める必要
 主権者教育に向けた新聞の読み方
 主権者教育のためのニュースの見方
 教材をどうするか
 インターネットとどうつきあうか
 政治的中立について
 家庭でどう取り組むか

3章 主権者教育授業のアイディア
 選挙を知ろう!
  世界の選挙権年齢、投票率、日本の選挙権の歴史
  世界の国々の首脳はどのように選ぶのか
 選挙をアクティブに学ぶ
  選挙の街ウォッチング、投票所に行ってみよう、模擬選挙①②
  投票率向上の方法を考える、マニフェストを読み解こう
  請願をしてみよう、選挙管理委員会とどうつき合うか

4章 主権者教育ワーク

                
   

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2015年11月 3日 (火)

『ユースワーク・青少年教育の歴史』刊行されました

日本の近代の青少年教育をイギリス、アメリカ、ドイツなどの欧米のユースワークとの関連で位置づけたこの分野での初めての通史です。

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田中治彦著『ユースワーク・青少年教育の歴史』東洋館出版社、2015年10月、3200円+税

キーワードで内容をご紹介します。

YMCA、ボーイスカウト、グループワーク、若者組、青年団、口演童話、子供組、ヒトラーユーゲント、IFEL、青年学級、健全育成、子ども劇場、ユースサービス、アウトリーチ、スポーツ少年団、国際交流、プレーパーク、居場所、エヴァンゲリオン、18歳選挙権、等々。

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2015年9月 3日 (木)

18歳の飲酒・喫煙について

9月2日に自民党が飲酒・喫煙を18歳に下げる、という提言を出しました。
この問題で毎日放送(大阪)とTBSから3件の取材を受けました。
放送ではコメントを細切れで使われてしまい、真意が伝わっていません。
そこで、私のコメントを全文上げさせていただきます。

Q1.飲酒・喫煙を18歳に下げるメリットは?

 この問題はそもそも成人年齢を何歳にするか、という問題から来ている。
18歳成人の論拠は3点ある。
 ・世界の9割以上の国が18歳選挙権。国連の子どもの権利条約でも「子ども」は18歳未満
 ・18歳で働き自活している若者が2割はいる。
 ・若者の社会参加で日本社会を活性化する。

Q2.飲酒・喫煙のデメリットは?

 そもそも喫煙は全世代に対して健康上の害がある。飲酒も過剰になれば誰でも健康を損なう。
 ただし、18歳、19歳だけがとくに害があるというデータはない。
 飲酒・喫煙を認めた上で、酒・たばこの飲み方についての教育を徹底すべきではないか。

Q3.高校の現場で混乱はないか?
 
 当然あるだろう。校則で禁止することは可能だが、法律の方が上位である。校門を一歩出れば規制はしにくい。
 「18歳になった年の次の4月1日より飲酒・喫煙可」というような改正はできないだろうか。こうすれば高校では飲めず、大学の新歓コンパでの飲めるようになり、皆ハッピー!

Q4.どは、どうしたらよいか?

 選挙権に関する市民教育、契約に関わる消費者教育、酒・たばこに関する健康教育、など高校教育自体が変わらざるをえない。
 高校教育は就職と進学の教育のみではなく、「大人になるための最終教育機関」として位置づけるべき。

Q5.なぜこの時期に自民党は18歳の飲酒・喫煙を言い出したか。

 私も驚いている。飲酒・喫煙については一番抵抗が大きかった。
 憶測でしかないが、ひとつは「少年法改正」にらみではなかろうか。
選挙権引き下げは案外世論から好意的に受け入れられた。民法改正もそれほど抵抗がなくなるだろう。
 しかし、少年法18歳引き下げについて批判は大きいだろう。酒・タバコを容認することで外堀を埋めようとしたのではないか。
 もうひとつは、業界からの要請である。人口減少で酒、たばこの消費量はじり貧である。年齢を下げれば、単純にみて消費量は上がると考えたのではないか。

以上
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2013年4月28日 (日)

『若者の居場所と参加』に学会賞

『若者の居場所と参加-ユースワークが築く新たな社会』がこども環境学会の学会賞を受賞しました。昨日、その表彰式があったので共著者の皆さんと高輪の東海大学まで行ってきました。

受賞理由は、まず今、若者論はけっこう多く出ているのですが、実際に若者にどう関わったらよいかということについてユースワークの観点から実践をもとにさまざまな提案をしていることです。

第二に、居場所のない若者に居場所を提供してあげるという「福祉的」な観点ではなく、若者自身が参加して社会に居場所をつくっていく、さらに居場所なき社会を変革していくという道筋をつけたことです。

表彰されるのは小学校以来ですのでうれしかったです。

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2012年9月 3日 (月)

グローバル市民

御殿場の東山荘で行われた「グローバル市民育成プロジェクト」です。

日本、韓国、台湾、香港、マカオのYMCAから18~30歳の若者80人が参加しました。

領土問題が厳しい中で、こうした交流プログラムは貴重です。若いときの友人は生涯の友人になります。

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2012年4月 1日 (日)

『若者の居場所と参加-ユースワークが築く新たな社会』

10年ぶりの居場所論です。今回は与えられる「居場所」ではなく、若者自らが積極的に創り出す居場所、そしてユースワークの役割に焦点を当てました。

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『若者の居場所と参加-ユースワークが築く新たな社会』
 田中治彦・萩原健次郎編著、東洋館出版社
 2012年4月刊、2500円+税

はじめに
序 若者の居場所とユースワーク         

Ⅰ.なぜ「居場所」なのか?
 第1章 近代問題としての居場所
 第2章 「居場所」の批判的検討       
 第3章 子ども・若者支援の政策と課題   
 第4章 若者の「居場所」へのまなざし-史的考察

Ⅱ.居場所が生まれる場
 第5章 地域の青少年育成活動と居場所づくり
 第6章 青少年センターでの居場所づくり  
 第7章 高校の部活動と居場所づくり      
 第8章 居場所と参加を生み出す方法論
 第9章 若者支援とユースワーカー

 
Ⅲ.居場所を生み出す社会
 第10章 市民と行政の協働による居場所づくり 
 第11章 子ども・若者を支援する行政との連携・協働の課題
 第12章 居場所を生み出す「社会」の構築 

年表
法令
おわりに

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