« ABC予想が証明された | トップページ | 18歳成人と成人式(12)「成人の日」のルーツ »

2020年4月 9日 (木)

18歳成人と「成人式」(11) 成人式の起源

成人式の起源

 この連載の6回めで、成人式の起源は1946(昭和21)年に蕨市で行なわれた「成年式」であると書きました。その後成人式について調べていく内に、成人式の起源がさらに遡って、1933(昭和8)年に名古屋市で行なわれた成年式であるということが判明しました。
 名古屋市連合青年団では昭和8年11月22日に第1回の成年式を行なっています。この式は満20歳に達して徴兵検査を終了した男子成人を対象に行なわれました。青年団とは、江戸時代から各村落にあった「若者組」を改組する形で、全国的に作られた団体で、各市町村の組織の末端に位置づけられていた団体です。
 この成年式の式典の内容は「聖恩旗の入場、国家斉唱、宮城遙拝、青年団長による令旨奉読と式辞、成年者代表による宣誓、加盟八青年団への奨励金交付、来賓式辞、団歌合唱、万歳三唱、そして聖恩旗の退場」となっています。その後、著名人による講演会、さらに娯楽の集いとして青年団員により、謡曲、詩吟、民謡、剣舞などが披露されました。また、参加者には青年徽章と大日本帝国憲法の小冊子が配られています。この成年式の式典の内容とその後の講演会と催し、そして記念品の配布という形式は、戦後の成人式にもほとんど引き継がれていくものであり、名古屋市連合青年団の成年式にその原型があったものとみることができます。
 戦後の蕨市の成年式も、その発起人は蕨町青年団長であり、式典の内容も日付もほぼ同じであることから、この名古屋での成年式を参考にして、戦後復活したのだと考えられます。現在の形の市町村が主催する成人式が1949(昭和24)年に行なわれる以前にも、愛知県、岐阜県、香川県、群馬県、栃木県、山梨県などで「成年式」が行なわれていたようです。名古屋発の成年式が、戦前、戦後初期に一定の広がりをもって実施されていたと考えられます。

[参考]室井康成(2018)「現代民俗の形成と批判-「成人式」問題をめぐる一考察-」『専修人間科学論集 社会学篇』Vol.8-2, p.67-68.

|

« ABC予想が証明された | トップページ | 18歳成人と成人式(12)「成人の日」のルーツ »

成人式」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ABC予想が証明された | トップページ | 18歳成人と成人式(12)「成人の日」のルーツ »