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2020年1月12日 (日)

18歳成人と「成人式」(7)

「荒れる」成人式

 成人式はもともと青年団から発想されたこともあり、市町村が主催する場合にも地元の青年団が自発的に関わることが多かった。ところが1960年代の高度成長期に、多くの若者が都市部に移動したこともあり、農村部での青年団が弱体化する。もともと参加率が低かった都市部を含めて、年々成人式への参加率が低下していった。1970年代以降、都市部を中心に和装で成人式に出席することが定着していく。和装の広がりは一方で経済的に参加しにくい若者を生み出すが、他方では華やかな式典に新成人を参加させたいという親の期待も高まり、出席率の低下傾向に一定の歯止めをかけたとみることもできよう。

 1999(平成11)年の仙台市の成人式で講演していた考古学者の吉村作造が、会場の新成人が騒がしく講演を聞く態度ではないとして講演を中止し退席するという事件が起きた。2001(平成13)年には高知市の成人式で新成人が市長に野次を飛ばすということがあり、また高松市では新成人が壇上の市長にクラッカー炸裂させ、刑事告訴にまで発展した。実際、当時の成人式では、新成人は会場に入らずに外で同窓生と興じたり、同窓会の待ち合わせに利用されることも生じていた。成人式会場付近で、ヤンキー集団の「代替わり」の儀式が行われることもあった。

 これらは「荒れる成人式」として社会問題にもなり、成人式不要論も登場した。意義のある成人式を創造するために新成人式研究会が2001年に設立されて、毎年、優れた成人式の実践を行った団体や行政を顕彰してきた。成人式が荒れた背景には、この時期に大人と子どもの関係性が大きく変容していることが上げられる。

 

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