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2013年4月22日 (月)

コンピュータと人間 2

 第2回電王戦はプロ棋士とコンピュータ将棋との5番勝負で、3月23日以来毎週土曜日に開催されました。その第4戦まですばらしい盛り上がりを見せていました。

 第1戦の「阿部光瑠4段vs.習甦戦」では、阿部4段が序盤でリードして快勝しました。まだ人間の方が十分やれるのだと思える上々の出だしでした。そして第2戦「佐藤慎一5段vs.ポナンザ戦」は、中盤佐藤5段がリードするような局面もありましたが、最後はポナンザに押し切られました。これで1勝1敗、まだ相星なので余裕がありました。
 

 第3戦は「船江恒平5段対ツツカナ戦」。船江5段が中盤リードを奪うのですが、決め手がなかなか見つけられず、双方にミスや疑問手などが出て、2転3転の末、コンピュータ側の勝利でした。私のブログにも書きましたが、今回の全登場プロ棋士のなかで、ある意味船江5段がもっとも期待が高かっただけに、この結果にはがっかりしました。これで、プロ棋士側の勝利はないだろう、と。しかし、2転3転した将棋の内容自体はハラハラドキドキで、見ている者に感動を与えました。
 

 そして、今回の電王戦の最大の見せ場は第4戦「塚田8段対プエラα」です。プエラαは昨年度第1回電王戦で故米長会長を破ったポンクラーズの後継機です。そして、その開発者の伊藤英紀氏は「コンピュータはすでに名人を超えている」と豪語する今回最大の「ヒール(悪役)」です。対する塚田8段はかつては塚田スペシャルという戦法で一時代を築いたタイトルホルダーではありますが、さすがに50歳を超えていてとてもコンピュータに歯が立つとは思われませんでした。ここで3敗を喫してプロ棋士側が負け伊藤氏が高笑いする、という最悪のストーリーが脳裏をよぎりました。
 

 しかしながら、プロ棋士の名誉をかけて戦う塚田8段は粘りに粘りました。自分の形勢悪しと見るや、なりふり構わず入玉をめざし、ついにはコンピュータ側も入玉して、結局引き分けに持ち込んだのです。塚田8段が引き分けの持将棋に持ち込んだ瞬間、中継会場であるニコファーレでは詰めかけた将棋ファンからひときわ高い拍手が起きたのです。

 試合後の「途中で投了しようとは思わなかったのですか」との記者の質問に対して、塚田8段は言葉を詰まらせ「自分から投了はできなかった。最低でも引き分けて最終戦に持ち込まねばならなかった」と語り、涙を見せたのです。

 この瞬間が今回の電王戦の最大の見せ場でした。これまでコンピュータ側の2勝1敗1引き分け、最終戦で三浦9段が勝利すれば電王戦自体を引き分けに持ち込むことができるのです。期待はますます高まりました。そして、4月20日のニコファーレには朝から多くの観客が詰めかけ、ニコニコ動画での中継には50万人近い人がアクセスしました。
 

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