« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »

2012年4月

2012年4月19日 (木)

追悼:山本正さん(日本国際交流センター理事長)

山本正さんのご葬儀が昨日、上智大学の隣のイグナチオ教会でしめやかに執り行われました。

山本さんの名前を知っている人はおそらく稀でしょう。舞台の表には出ず、自身でも「黒子」に徹すると常々言っておられました。お通夜には3人の元首相を始めとして1000人以上もの方々が参列していました。

山本さんの業績が新聞などで取り上げられていますが、それらはすべて日米関係に関するものです。私は1980~86年に日本国際交流センターで働かせていただきましたが、そのときの私の仕事はアジアであり、国際協力でした。

新聞などに取り上げられない山本さんの功績を二つ紹介させていただきます。

ひとつはNGOによる国際協力の草分けの仕事です。NGOというと途上国に学校を作るなどの慈善的な活動が目立ちます。山本さんはそのような日本人中心のやり方ではなく、現地のアジアの人々によるNGOを支援するやり方を考えていました。それはアメリカの財団などのやり方をお手本にしていたからです。私や上司であった伊藤道雄さん(その後国際協力NGOセンター事務局長)は1980年代の初頭にアジアの国々をまわって、各国の地元のNGOのダイレクトリーづくりをし、それら地元の団体に支援金が回るようにしました。

もとひとつの業績は「NPO法」です。官尊民卑が強い時代にあって、山本さんは民間の公益活動の重要性を訴え、1970年代後半にはアメリカやヨーロッパのフィランソロピー(慈善活動・公益活動)についてのシンポジウムを数回開いていました。その中で日本の民間公益活動における法制度や税制の不備を度々指摘していました。NPO法が成立するのはそれから20年後、1998年のことです。

山本さんは敬虔なクリスチャンで、上智大学の出身でもあります。何よりも家族を大切にし、また国際交流センターのスタッフも家族同様に思っていました。センターを10年以上も前に離れた私の同僚たちもボランティアで葬儀のお手伝いを買って出ていました。

今はただただご冥福をお祈りするのみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年4月 1日 (日)

『若者の居場所と参加-ユースワークが築く新たな社会』

10年ぶりの居場所論です。今回は与えられる「居場所」ではなく、若者自らが積極的に創り出す居場所、そしてユースワークの役割に焦点を当てました。

100560


『若者の居場所と参加-ユースワークが築く新たな社会』
 田中治彦・萩原健次郎編著、東洋館出版社
 2012年4月刊、2500円+税

はじめに
序 若者の居場所とユースワーク         

Ⅰ.なぜ「居場所」なのか?
 第1章 近代問題としての居場所
 第2章 「居場所」の批判的検討       
 第3章 子ども・若者支援の政策と課題   
 第4章 若者の「居場所」へのまなざし-史的考察

Ⅱ.居場所が生まれる場
 第5章 地域の青少年育成活動と居場所づくり
 第6章 青少年センターでの居場所づくり  
 第7章 高校の部活動と居場所づくり      
 第8章 居場所と参加を生み出す方法論
 第9章 若者支援とユースワーカー

 
Ⅲ.居場所を生み出す社会
 第10章 市民と行政の協働による居場所づくり 
 第11章 子ども・若者を支援する行政との連携・協働の課題
 第12章 居場所を生み出す「社会」の構築 

年表
法令
おわりに

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »