2017年1月 9日 (月)

成人の日を3月に移しましょう

 2001年以来、18歳成人について発言してきたこともあって、この時期になるとマスコミからの取材が必ず入ります。今年は、毎日新聞で11日付けの朝刊に掲載の予定です。

 さて、今年は18歳成人論議にとっては重要な年です。というのは、政府は次の通常国会で成人年齢を18歳に引き下げるための民法改正案を上程する予定だからです。反対する政党はないので、解散総選挙などなければ改正案は成立することでしょう。そうなると、3年の周知期間をおいて2021年には「18歳成人」に移行することになります。

 私が心配しているのは、成人の日と成人式です。ふたつ問題があります。ひとつは、成人の日をどうするかです。18歳は高校3年生ですので、現行の成人の日(1月第2月曜日)ですと、大学入試センター試験の直前となります。まさに最悪のタイミング! その日に成人式を行っても参加率は低いでしょう。成人式の日取りを移すことは考えられますが、根本的には成人の日を他に移すしかありません。
 成人式の起源は遠く江戸時代の元服や髪上げに求められます。これは、子供の成長を大人や社会が祝う行事です。本人と大人社会との双方の合意で成り立ちます。2001年頃「荒れる成人式」が問題になりました。私はその根本的な原因は20歳という年が何ら人生の区切りではなく(正確に言えば短大生を除いて)、本人と社会との合意という意義が失われているからである、と解説しました。
 
 その意味では18歳は多くの高校生が就職や進学する年であり、人生の区切りとしても理にかなっています。ということは成人の日は、その区切りに当たる3月に移すのが適切ではないでしょうか。就職活動や入学試験もほとんど終わって、4月からの身の振り方が決まっています。家族もお祝いするモチベーションが上がります。卒業式とかぶるかもしれませんが、3月のどこかに成人の日を設定してほしいです。
 
 もうひとつの問題は、もし2021年に成人年齢が18歳になると、その年には18歳・19歳・20歳が同時に成人になります。すなわち、成人式を3回しなくてはなりません。これは、各自治体にとって頭の痛い問題です。予算的にもそうですし、日程も会場も大変です。そもそも、3倍もの成人を同時に収容できる施設があるかどうか?
 
 そこで、私は成人式を2回ないし3回に分けることを提案します。現在の成人の日に19歳と20歳の成人式を行います。1回でできなければ、午前と午後の2部に分けます。準備は大変ですが、1年限りのことですのでがんばりましょう。次に、18歳の成人式を3月のしかるべき日に行います。理由は前に述べたとおりです。
 他にも良い方法があるかもしれませんが、参考にしていただければ幸いです。遠い未来のことではありません。現在の中学1-3年生が同時に成人になるのですから。
 
 
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2016年12月31日 (土)

三浦弘之九段の「竜王戦挑戦者」の地位保全を

 三浦九段のスマホ不正疑惑には全く証拠も根拠もないことが明らかになりました。
三浦九段は竜王戦のやり直しを切に願っています。しかし、将棋連盟は竜王戦自体は挑戦者を丸山九段に差し替えて無事終了したとしています。このままでは三浦九段の願いが実現するかどうか誠に不透明です。

 私は、三浦九段が「竜王戦挑戦者」としての地位確認の訴訟を起こすのがもっとも確実と考えます。この訴訟は99%勝訴します。挑戦者としての地位が法的に確認されれば、将棋連盟も読売新聞も第29期竜王戦をやり直さざるを得なくなるでしょう。

 また訴訟となれば、その結論が出る前に、主催者側が譲歩することも考えられるでしょう。三浦九段にはぜひ竜王戦7番勝負を堂々と戦って欲しいものです。

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2016年12月28日 (水)

危機に瀕する竜王位

 将棋のタイトル戦で最も賞金額が大きい「竜王戦」。その竜王位が今危機に瀕しています。

 発端は、渡辺明竜王が挑戦者である三浦弘之九段に対して、いくつかの対戦においてスマホを通じて指し手をカンニングしていた疑惑があると将棋連盟申し立てたことにあります。将棋連盟は、三浦九段を年内2か月間の対戦停止に。挑戦権があった三浦九段に代わって、丸山忠久九段が竜王戦の対戦者となりました。七番勝負の結果、渡辺竜王が勝利して、第29代の竜王となったのが12月22日のことです。

 ところが、この26日にスマホ疑惑を調査していた第三者委員会が、それを裏付ける証拠は一切ないことを報告しました。三浦九段に対する疑惑は全くの言いがかりであったことが判明しました。これを受けて、日本将棋連盟は三浦九段に謝罪し、名誉回復と補償を行うことを公表しました。しかし、竜王戦についてはやり直しはせず、渡辺明が竜王戦の勝者であるとしています。
 
 このような問題が起きたときに大切なことは「現状回復」です。三浦九段は数々の精神的経済的被害を被っています。発端は竜王戦なのですから、まずそこからやり直すべきなのです。三浦九段も会見で再三それを要望しています。順位戦については、来年度は特例として三浦九段を降格させずにA級11位として扱うとしています(本来は10位までしかない)。これはおかしいです。休場中の対戦を含めて残り試合をすべて白星として扱うべきです。あるいは、せめて今年度と同じ9位扱い、というのがぎりぎり許容範囲です。
 
 このこととは別に、今回の問題を提起した渡辺竜王の個人的な責任が問題となります。代理の丸山九段と指した第29期竜王戦は当然無効です。現在の竜王位も「架空」のものです。賞金も受け取るべきではありません。丸山九段は不本意ながら出場されたのですから、敗者としての賞金は受け取る権利があります。

 渡辺竜王が竜王位を自主返還するか、竜王戦を無効とするか、どちらかでしょう。その上で、三浦九段と丸山九段とで改めて第29期の竜王戦を行う。場所はすべて日本将棋会館、できるだけ静かに指せる環境を作る。賞金は返納された分と将棋連盟の負担とする。読売新聞にも責任はあるので、追加で負担するのは当然かまいません。

 この辺が妥当と思いますが、いかがでしょうか。
 
 
 
 

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2016年11月 3日 (木)

フォーラム・居場所論の「現在」

 

上智大学教育イノベーション・フォーラム

       居場所論の「現在」

 「居場所」という日常的な用語が政策文書に登場したのは、1992年に文部省から出された不登校対策の報告書でした。その後、居場所を関する書物は増加し、心理学、教育学、社会学などの学術書にも登場するようになります。居場所論が広がる背景には、経済や情報のグローバリゼーションが急速に深まりをみせるなかで、家族・地域・会社・国といった従来、人々に安心と安全を保障してきた集団や組織によるセイフティネットが縮小し、人々を孤立化させていることが原因であると思われます。
 居場所づくりは実践や政策においても、子どもの貧困、災害復興、高齢者の地域参加などにおいて、鍵となる概念になりつつあります。また、欧米での移民問題やアジア諸国でのテロ問題でも、若者の居場所が注目されています。この度さまざまな分野で居場所論を研究し、居場所づくりの実践に携わっている皆さまにお集まりいただき、交流する場として本フォーラムを企画いたしました。皆さまのご参加を期待しています。

日時 2016年12月3日(土)13:30~18:00
場所 上智大学四谷キャンパス 上智紀尾井坂ビル-B210 (JR四ツ谷駅徒歩10分)
   http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/map/map_yotsuya
主催 上智大学総合人間科学部教育学科(教育イノベーション・プログラム)
参加費 500円(資料・お茶代) *学生・院生は無料

プログラム
 13:00 開場
 13:30-13:50 趣旨説明 田中治彦(上智大学総合人間科学部)
 
 第Ⅰ部 日本の子ども・若者と「居場所」
    コーディネータ 阿比留久美(早稲田大学)
 13:50-14:20 報告1 千代田区に貧困家庭の子どものための居場所を作りました
                -NPO法人MLTこどもプロジェクトの現状と課題
                久田満(上智大学総合人間科学部)
 14:20-14:50 報告2 支援としての「居場所」を考える
                ―〈承認する/教育する〉のジレンマ
                御旅屋達(東京大学社会科学研究所)
 14:50-15:20 報告3 「いつでも・誰でも・無料で」来られる居場所づくり
                -冒険遊び場の実践からの学び
                森川和加子(せたがや子ども・ワカモノねっと)
 15:20-15:40 質疑と議論
 
 第Ⅱ部 グローバリゼーションと「居場所づくり」
    コーディネータ 萩原建次郎(駒沢大学)
 16:00-16:10 課題の整理
 16:10-16:40 報告4 ダッカでのテロ事件と若者の居場所づくり
                筒井哲朗(一般社団法人シェア・ザ・プラネット)
 16:40-17:10 報告5 トランスナショナル状況下の欧州ムスリム移民の居場所づくり
                丸山英樹(上智大学グローバル教育センター)
 17:10-17:40 報告6 居場所とゆとり――社会変動論的視座から
                塩原良和(慶応義塾大学法学部)
 17:40-18:00 質疑と議論

 (終了後、同会場で懇親会をもちます) 

お申込みとお問合せ
 田中治彦研究室  ibasho.sophia@gmail.com
 

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2016年7月 2日 (土)

SDGsで遊ぼう!

 6月30日に新潟国際情報大学で「SDGsで遊ぼう!」というワークショップをやってきました。参加したのは「国際交流インストラクター演習」を受講している約40名の大学生です。

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SDGs(持続可能な開発目標)は策定されたばかりですし、17も目標があるので、まずは「親しむ」ことが大切と考えて、入門的なワークを行いました。かわいくてきれいな公式アイコンを使った簡単なワークです。

 1.自分の好きなアイコンを選ぶ。なぜそのアイコンを選んだかを説明しながら自己紹介。

 2.模造紙の上に17のアイコンを置いて、分類する。

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 3.「もし途上国の一員ならば、どのような優先順位をつけるか」のランキング。

 4.「日本ならば、どのような優先順位をつけるか」のランキング。

 全体の解説も含めて90分で行いました。

アイコンはこちらで→

Sdgsnewjp

http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/

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2016年6月26日 (日)

『環境教育学の基礎理論-再評価と新機軸』

環境教育学の学問的な基礎を問う『環境教育学の基礎理論-再評価と新機軸』が出版されました。私は、「第5章 開発教育の視点から環境教育学を構想する」を執筆しています。

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『環境教育学の基礎理論-再評価と新機軸』
今村光章編、法律文化社、2016年7月、3,400円+税 
ISBN978-4-589-03783-1

環境教育学の理論構築に向けた初めての包括的論考集。自然保護教育・公害教育などの教育領域ごとに発展してきた理論や学校・地域における教育実践に基づく学問的基礎理論を整理のうえ、環境教育学の構築を探究する。 

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2016年6月23日 (木)

『やさしい主権者教育-18歳選挙権へのパスポート』発刊

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NIE(教育に新聞を)で活動している先生方とともに編集しました。
意外と知られていない選挙用語から生徒ができる選挙運動、できない選挙運動、不在者投票と期日前投票など、最低限知らなければならない内容を押さえてあります。また、参加型学習で行うワークショップを紹介しています。

『やさしい主権者教育-18歳選挙権へのパスポート』
田中治彦・岸尾祐二(他編)
東洋館出版社、2016年6月、1,944円(税込)
ISBN:9784491032498

もくじ

1章 主権者教育の実践にあたって
 主権者教育・市民教育と求められる学び
 18歳選挙をめぐる社会

2章 主権者教育を始めるために
 主権者教育と学習指導要領への位置づけ
 小学校から始める必要
 主権者教育に向けた新聞の読み方
 主権者教育のためのニュースの見方
 教材をどうするか
 インターネットとどうつきあうか
 政治的中立について
 家庭でどう取り組むか

3章 主権者教育授業のアイディア
 選挙を知ろう!
  世界の選挙権年齢、投票率、日本の選挙権の歴史
  世界の国々の首脳はどのように選ぶのか
 選挙をアクティブに学ぶ
  選挙の街ウォッチング、投票所に行ってみよう、模擬選挙①②
  投票率向上の方法を考える、マニフェストを読み解こう
  請願をしてみよう、選挙管理委員会とどうつき合うか

4章 主権者教育ワーク

                
   

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2016年3月15日 (火)

上智大学公開学習「SDGsと開発教育」

5月から始まる上智大学公開講座のお知らせです。

SDGs(国連持続可能な開発目標)と開発教育

 2016年から30年までの国際的な開発目標である「SDGs(持続可能な開発目標)」の内容と課題について、講義と参加型ワークショップを通して学びます。SDGsは2015年9月の国連総会で採択されたばかりであり、貧困、雇用、教育、保健、といった主に途上国の開発課題(ミレニアム開発目標を引き継ぐ)と、地球温暖化、資源、生物多様性といったリオ・サミット以来の持続可能な社会づくりの課題の双方を含んでいます。
 SDGsの17の課題を理解するためには、これまで日本の開発教育と環境教育で蓄積されてきた知見と手法が有効です。講義と参加型ワークショップにより、受講生とともに、SDGをめぐる世界と日本の課題について考えていきますまた、それらの課題を人ごととしてではなく「自分事」として実感するにはどのようにしたらよいかについても追求していきます。
 
講師:田中治彦(上智大学教育学科教授)
日時:2016年5月10日~7月12日(毎週火曜日10回)19:00-20:30
場所:上智大学四ツ谷キャンパス(JR四谷駅徒歩5分)
テキスト:田中治彦編『SDGsと開発教育』学文社(5月末刊行予定)
受講料:27000円
申込みとお問合せ:上智大学公開学習センター
 http://www.sophia.ac.jp/jpn/otherprograms/c_college

 03-3238-3552



 

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2016年3月11日 (金)

18歳選挙権と市民教育ハンドブック

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  2016年7月の参議院選挙より18歳以上の者が投票できることになりました。

 これを機に、上智大学教育学科と開発教育協会の編集により『18歳選挙権と市民教育ハンドブック』が発刊されました。

 本書は、従来の知識中心の公民教育や、選挙での投票に特化した主権者教育ではなく、若者たちが一市民として社会や世界の課題に関わっていけるような市民性を身につけることをめざした市民教育を実践するための、参加型学習の手引書です。

  (特活)開発教育協会かアマゾンのホームページから入手することができます。

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2015年11月 3日 (火)

『ユースワーク・青少年教育の歴史』刊行されました

日本の近代の青少年教育をイギリス、アメリカ、ドイツなどの欧米のユースワークとの関連で位置づけたこの分野での初めての通史です。

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田中治彦著『ユースワーク・青少年教育の歴史』東洋館出版社、2015年10月、3200円+税

キーワードで内容をご紹介します。

YMCA、ボーイスカウト、グループワーク、若者組、青年団、口演童話、子供組、ヒトラーユーゲント、IFEL、青年学級、健全育成、子ども劇場、ユースサービス、アウトリーチ、スポーツ少年団、国際交流、プレーパーク、居場所、エヴァンゲリオン、18歳選挙権、等々。

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